2020年08月の投稿
はまぐり貝合展(東京)延期のお知らせ
2020.8.28 スケジュール, ブログ, 開催中・開催予定のイベント
はまぐり貝合展
クイントアートハウス/煎茶器会館 東京
*こちらの展示会は延期となりました。
蛤と観月
観月、お月見は、旧暦の8月15日(十五夜)、旧暦9月13日(十三夜)に行なわれます。特に十五夜は中秋の名月と呼ばれています。
名月の日に満月を鑑賞する風習は平安時代に唐から詩文とともに伝わり、『中右記』によると十五夜の夜、白河上皇をはじめ、数十人が船に乗り込み、楽器を奏で酒を楽しみ、和歌を吟唱(節を付けて唄う)したそうです。また、当時さかんに催されていた「歌合」にも観月が取り入れられるようになり、多くの観月の和歌がつくられる場となりました。
貴族の風流な遊び、行事であった観月は江戸時代になり、広く庶民の間にも広まりました。唐から伝わった十五夜ですが、「後の月」として十三夜もあわせてみるようになったのは日本独自の風習と言われています。これは日本の気候風土に合ったもののようで、日本では十五夜のころ、台風が来て月が見れない年があるため、十三夜も合わせて観月としたのかもしれません。いずれも収穫のあるころで、秋の実りを感謝し、ススキとともに月見団子や栗、果物などをお供えします。
さて、江戸時代の人々は月見の夜には蛤のお吸い物を食べたそうです。蛤と言えば3月の雛祭りに食べるのが知られていますが、実は蛤、晩春から夏期にかけて産卵期に入り、繁殖後は味が落ちるということもあり、禁漁とされています。中秋の名月の頃に禁漁が明け、ちょうど蛤のシーズンが始まり、いわゆる「初物」を食べて縁起をかつごう、ということでしょうか。葛飾北斎の「蛤売り図」には雲に隠れた満月が描かれており、江戸時代の月見に蛤が欠かせない食材であったことをかいま見ることが出来ますし、三代目歌川豊国の浮世絵「葉月高輪」では、女性がススキとともに蛤をかご一杯に入れて売る様子が描かれています。
今では十五夜に蛤を食べる風習はほとんどなくなりましたが、とも藤では十五夜の蛤として、当時の人々に思いを馳せて、お月見の貝合わせをご提案してゆきたいと思っています。
*動画のなかで、貝殻の並べ方に付いてご紹介していますが、一周目12個から9個づつ同心円状にではなく、7個づつ9列の間違いです。ですが、貝合わせ遊びはその時々によって遊び方が自由に変えられる遊戯です。堅苦しくなく楽しんで遊んで頂ければと思います。
*また、貝合わせ遊びは古くは「貝覆い」というのが本来の名称ですが、江戸時代頃から「貝合わせ」と呼ばれるようになり広く貝合わせと言われていることから、こちらの動画では「貝合わせ」としてご紹介しています。平安時代の「貝合わせ」は「物合わせ」という遊びの一種で、「歌合わせ」として遊ばれていました。
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